艶消し後にスミ入れしたら滲んで拭き取れない…そんな失敗の原因と対処法を解説。正しい工程順とリカバー方法で、きれいな仕上がりを目指そう。
ガンプラの仕上げといえば「スミ入れ」。
モールドがくっきりして一気にリアルになる工程ですが、やり方を間違えるとせっかくの仕上がりが台無しになることもあります。

仕上げでミスをしてしまうと立ち直れません
特に多いのが「艶消し後にスミ入れしたら滲んでしまった」「拭き取っても消えない」という失敗。
この記事では、その原因とリカバリー方法、そして今後同じ失敗を防ぐための正しい順番をわかりやすく解説します。
■ 艶消し後に墨入れすると滲む理由
艶消しスプレー(トップコートつや消し)は、表面をざらざらにして光の反射を抑える塗膜です。
このざらつきが墨入れ塗料を吸い込んでしまうため、拭き取っても汚れが残り、モールドの周りに黒ずんだシミのような跡が残ります。
特に以下の条件が重なると、滲みやすくなります。
- スミ入れにエナメル塗料を使用している
- 艶消しスプレーを厚く吹いている
- タミヤエナメル溶剤など、溶剤の強いものを使用している
- トップコートの乾燥時間が足りない
艶消し面は一見仕上がりが綺麗ですが、実は墨入れには不向きな状態なんです。

スミ入れは毛細管現象を利用しているので表面が荒れたつや消し面ではざらつきいた表面に毛細管現象が働いてしまうのです。
実際にやってみた

左が艶あり、右がつや消しで塗装した状態です。
この2パーツにスミ入れをして滲み、拭き取りにくさを見てみます。

スミ入れはこちらの一般的によく使われるタミヤのスミ入れ塗料を使用します。

スミ入れ後のパーツです。一見変わらないように見えますが・・・

艶消し側のパーツは滲んでしまっています。

スミ入れ塗料を付けたのは前面4箇所だけですが側面でこんなに滲んでいまいました!!

こちらのタミヤのエナメル溶剤で拭き取っていきます。綿棒に染み込ませて拭き取ります。


拭き取り後のパーツです。左が艶あり、右が艶消しです。

艶消しのザラザラの奥にスミが入ってしまい拭き取りきれませんでした
■ 拭き取っても消えない!滲んだときの対処法
滲んでしまうと完全に消すのは難しいですが、軽いシミ程度ならある程度リカバー可能です。
焦らず、次の方法を試してみてください。
- エナメル溶剤を綿棒にごく少量含ませて、叩くように拭く → 強くこすると下地の塗膜まで溶けるので注意。
- 上からウェザリングで自然にごまかす → 戦闘汚れやスス汚れとして見せれば、むしろリアルになります。

2は本当に最終手段ですね・・・
逆に言えば元々ウェザリングする予定ならつや消しで墨入れするのも場合によってはありです。
【おすすめの手順】
- 組み立て・ゲート処理
- 塗装(下地〜本塗装)
- 光沢トップコートを吹く
- スミ入れ(エナメルや水性ペンでOK)
- 拭き取り・乾燥
- 仕上げに艶消しを行う

2の本塗装が光沢塗料で行う場合は、3の工程は省いてOKです。
その塗料が光沢/半光沢/つや消しのどのタイプなのかはしっかり確認しておきましょう。
この順番にすることで、滲みやシミのリスクを大幅に減らせます。
つまり、「艶消しは一番最後に吹く」のが鉄則です。
■ 墨入れがうまくいかないときのチェックポイント
- スミ入れ塗料が濃すぎないか
- モールドが詰まっていないか
- トップコートが完全に乾いているか
これらを意識するだけでも、仕上がりは格段に変わります。
■ まとめ:艶消し後の墨入れは滲む!順番を守って失敗防止
艶消し後に墨入れが滲むのは、表面のざらつきが原因です。
この失敗を防ぐには、
- 墨入れは光沢面で行う
- 艶消しは一番最後に吹く
- 滲んでも慌てずリカバーを試す
という3つを意識しましょう。

光沢面で墨入れをするとスーッと墨が入っていき、きれいにさっと拭き取れるのでとても楽しい工程になります!
墨入れした後に拭き取り忘れ箇所があるのに気づかず仕上げのつや消しをしてしまい取り返しがつかなくなることもあるので拭き取り忘れには注意しましょう!!
一度滲んでしまっても、それは次の作品をうまく仕上げるための経験になります。
同じ失敗を繰り返さないよう、正しい手順で美しい仕上がりを目指しましょう。


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