プラモデル塗料の塗膜強度を検証!ラッカー・エナメル・水性はどこまで拭き取れる?
「ラッカー塗料は強い!」「水性塗料は落としやすい!」といった話はよく聞きますが、実際にどれくらいの塗膜強度があるのか、そしてどの溶剤でどこまで拭き取れるのか、気になったことはありませんか?
私自身、情報としては知っていたものの、自分の手で確かめたことはありませんでした。

私と同じような方多いのではないでしょうか
この記事では、プラモデル塗装に使われる代表的な4種類の塗料の塗膜強度と、拭き取りに使える溶剤の相性を検証した結果をお伝えします!
実験のきっかけ
「水性塗料はマジックリンで落ちるらしい」という話を聞いたのが、今回の検証のきっかけです。
せっかくならラッカーやエナメル、最近よく聞く水性エマルジョン系の塗料も含めて比較してみたいと思い、プラ板を使って自分で試してみました。
使用した塗料と溶剤について
今回の実験で使った塗料は以下の4種類です。
- ラッカー塗料:Mr.COLOR インディブルー
- エナメル塗料:タミヤカラー エナメル フラットレッド
- 水性エマルジョン系:アクリジョン ブラック
- 水性塗料(アクリル):水性ホビーカラー ディアクティブグレー
それぞれの塗料をプラ板にエアブラシで塗装し、1日以上乾燥させました。

次に、以下の溶剤を使って綿棒で塗膜をこすり、どこまで拭き取れるのかをチェックしていきます。

- ラッカー用うすめ液(Mr.COLOR)
- エナメル溶剤(タミヤ エナメル用)
- アクリジョン専用うすめ液
- マジックリン(家庭用アルカリ洗剤)
拭き取り検証の結果まとめ
実際にやってみた結果がこちらになります!!


表にするとこんな感じ!
ラッカー塗膜 | エナメル塗膜 | エマルジョン塗膜 | 水性塗膜 | |
ラッカー薄め液 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
エナメル薄め液 | × | 〇 | 〇 | △ |
エマルジョン薄め液 | × | × | × | × |
マジックリン | × | × | 〇 | 〇 |
〇:ふき取れる △:ふき取れないが塗膜を少し侵す ×:ふき取れない
ラッカー塗料はやはり最強クラス
乾燥後のラッカー塗膜は非常に強固で、基本的にはラッカー用うすめ液でしか落とせませんでした。マジックリンやエナメル溶剤では全く変化なし。しっかり硬化すれば、拭き取りによる影響はほぼ受けません。
エナメル塗料はエナメル溶剤で溶ける
エナメル塗料は、エナメル溶剤で簡単に拭き取れました。これはスミ入れや部分塗装で活用される特徴でもありますが、逆にいうと一度塗った部分が触っただけで落ちる可能性もあるということです。筆塗りでは慎重さが求められます。
水性エマルジョンは意外と弱い?
アクリジョンなどの水性エマルジョン系は、エナメル溶剤でもかなり落とせてしまいました。聞いていたより塗膜が柔らかく、扱いには注意が必要だと感じました。
水性塗料はマジックリンで落ちる
水性ホビーカラーは、予想通りマジックリンで拭き取ることができました。
軽くこするだけで色が浮き、ふき取りが可能だったため、修正作業やリタッチのしやすさは抜群です。
使用感と考察
今回の検証で、特に印象的だったのは「水性塗料がここまで簡単に落ちる」という点でした。乾燥後でもマジックリンで対応できるので、細かい色分けやリタッチ作業で活躍しそうです。
一方、エナメル塗料は筆塗りに向いているという話もよく聞きますが、一度塗った箇所が簡単に溶けるため、重ね塗りには不向きと感じました。実際、今回の検証でも二度塗り時に塗膜が荒れてしまいました。
塗料の性質を理解しておけば、目的に応じて「落ちやすい塗料」「落ちにくい塗料」をうまく使い分けることができます。
補足:塗料には例外もある!
すべての塗料が今回の結果に当てはまるわけではありません。
たとえば、**タミヤのエナメルカラー「ゴールドリーフ」**は、なぜかエナメル溶剤でもふき取れないことで有名です。
こうした例外もあるので、使う塗料ごとに一度試してみるのがおすすめです。
まとめ
今回の実験を通じて、以下のような傾向が見えてきました。
- ラッカー塗料は非常に強固で、基本的には専用の薄め液でしか落とせない
- エナメル塗料は繊細で、筆塗りの扱いには注意が必要
- 水性塗料は落としやすく、マジックリンでもふき取れる
- 水性エマルジョンは想像より塗膜が弱め。使用場面を選ぶ必要あり
どの塗料にも長所と短所があるので、用途に合わせて適切に使い分けることが大切です。
匂いや塗膜強度、扱いやすさなどを総合的に判断して、自分に合った塗料を選びましょう。

よろしければ、みなさんもぜひ自分の環境で試してみてください!
この記事が塗装選びの参考になれば幸いです。
コメント