~初心者におすすめの3種類を比較~
最近のガンプラやプラモデルは「接着剤不要」で組み立てられる設計がほとんどです。
しかし、実際に製作を進めていくと「合わせ目を消したい」「パーツをしっかり固定したい」などの場面で、接着剤の出番は必ずやってきます。
とはいえ、接着剤とひとことで言っても種類が多く、どれを選べばいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、プラモデル製作でよく使われる 3種類の接着剤(通常タイプ・流し込みタイプ・リモネンセメント) を取り上げ、それぞれの特徴と使いどころを分かりやすく解説します。
プラモデル用接着剤の基本構造
プラモデル用接着剤は、溶剤の力でプラスチックの表面を一瞬だけ「溶かし」、それを密着させて一体化させることで接着します。
つまり、「のり」や「ボンド」のように表面を貼り付けるのではなく、溶着によって一体化させるのがポイントです。

一般的なアロンアルファなどの接着剤とは仕組みが違うんですね。
このため、しっかり乾燥させれば非常に強い結合力を得られますが、使い方を誤るとパーツが歪んだり、表面が溶けすぎたりすることもあります。
接着剤の種類と特性を理解して使い分けることが、きれいな仕上がりの第一歩です。
プラモデル用接着剤の種類と特徴

最も有名であろうタミヤさんの接着剤をご紹介します。
1. 通常タイプ(タミヤセメント)

もっとも基本的なタイプ。粘度が高く、パーツの合わせ面に塗ってからゆっくり圧着します。

いわゆる白蓋と言うやつです。量が少ないタイプはオレンジ色の蓋ですが中身は同じです。
メリット
・塗布後に位置を微調整できる
・溶着力が強く、しっかり固定できる
・合わせ目消しにも利用できる
デメリット
・乾燥に時間がかかる(完全硬化まで約1日)
・はみ出した接着剤が固まると、削り直しが必要
おすすめの使い方
合わせ目消しや大きなパーツの固定など、しっかり強度を出したい場面で活躍します。
初心者がまず最初に手に取るべき“基本の1本”です。
2. 流し込みタイプ(タミヤ流し込み接着剤)

低粘度でサラサラとした液体タイプ。パーツを合わせた状態で、隙間に流し込むだけで接着できるのが特徴です。
メリット
・スピーディーに作業できる
・はみ出しが少なく、仕上がりがきれい
・細かい部分の補修や仮組みに最適
デメリット
・位置調整の猶予が短い
・溶着力は通常タイプより弱め
・パーツに塗布後にパーツを合わせるということができないので両手でパーツを持ちながら接着することはできない
おすすめの使い方
合わせ目消しの仕上げや、細かいパーツの接着などに向いています。
作業に慣れてきたら必ず使いたくなる“2本目の定番”です。

すぐにくっつくのでせっかちさんにおすすめです。
3. リモネンセメント(タミヤ リモネンセメント)

柑橘類の皮に含まれる「リモネン」という天然成分を使った、環境にも人にも優しいタイプの接着剤です。
メリット
・シンナー臭が少なく、作業環境が快適
・揮発が穏やかで扱いやすい
・お子さんや初心者にも安心
デメリット
・硬化が遅く、作業効率は落ちる
おすすめの使い方
においが気になる人や、小さなお子さんと一緒に製作するときにぴったり。
柑橘系の香りがほんのりする“やさしい接着剤”です。

最近存在を知りました。白蓋の代わりとして愛用しています。
初心者が最初に買うべき接着剤3選
ここまで紹介した3種類のうち、初心者が最初に買うなら次の順番がおすすめです。
まずは タミヤセメント。
合わせ目消しや固定など、基本工作のほとんどに対応できる万能タイプです。
次に タミヤ流し込み接着剤。
合わせ目をすっきり消したいときや、細部を素早く仕上げたいときに役立ちます。
そして最後に タミヤ リモネンセメント。
安全性と作業環境の快適さを重視したい人におすすめです。
まとめ
接着剤は単なる「くっつける道具」ではなく、仕上がりと作業効率を左右する重要なアイテムです。
しっかり固定したいなら通常タイプ、仕上がり重視なら流し込みタイプ、安全性重視ならリモネンタイプ。
それぞれの特性を理解して使い分けることで、プラモデル製作がぐっと楽しく、きれいに仕上がります。
「接着剤不要」と書かれたガンプラでも、最終仕上げや補強では必ず出番があります。

自分の作業スタイルに合った接着剤を選び、快適なモデリングライフを楽しんでください。
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